CAREER ep.6 人生の舵をどちらに切るか。年下の親戚からの相談と、僕がたどり着いた「幸せ」の判断基準。

前回の記事では、自分の「市場価値」という名のGPSを持って、現在地を冷静に把握することの大切さについてお話ししました。

今回は、少しトーンを落として、僕の個人的な雑談にお付き合いいただければと思います。ここ最近、いくつかのキャリアの転機や日々の経験を重ねるにつれて、僕の中でじわじわと醸成されてきた「仕事に対する価値観の変化」についての備忘録です。

なぜ急にこんな話をブログに書き残しておこうと思ったのか。理由はとてもシンプルで、先日、年の離れた年下の親戚から、仕事にまつわる切実な悩みを打ち明けられたからです。

彼の言葉を聞きながら、僕は30代半ばになった今の自分の立ち位置を振り返ると同時に、かつて暗闇の中で 目的を見失っていた「20代の頃の自分」の姿を、痛烈に思い出していました。

目次

1. 「頑張りたい、でも疲れる」という若き日の葛藤

彼が話してくれた悩みを簡単にまとめると、次のような内容でした。

「社会人になったからには、仕事をバリバリ頑張らなきゃいけないと思っている。でも、日々の拘束時間がとにかく長くて、心も体も疲れが溜まってしまう。気がつけば、平日は泥のように眠るだけで、週末の休みだけを心底楽しみに生きている自分がいる。周りの同期たちはもっとケロッと努力しているように見えるし、この時点で、自分はビジネスパーソンとして周りに置いていかれているんじゃないか……」

これを聞いたとき、僕は胸が締め付けられるような思いがして、素直に「あぁ、本当に大変だし、きついよな」と言葉を返しました。

何を隠そう、僕にも全く同じ時期があったからです。

毎日のように終電近くまで働き、文字通り「寝るためだけに家に帰る」という生活を送っていた若い頃。お世辞にも、自分の仕事を心から楽しいなんて思っていませんでした。完全に「生きていくために、生活費を稼ぐために働く」という感覚。

当時の僕のスケジュールを振り返ると、まさに以下のような状態でした。

[当時の僕の限界スケジュール]

  • 平日: 朝から深夜まで会社に拘束され、思考停止でタスクをこなす
  • 睡眠: 泥のように眠るだけの4〜5時間
  • 週末: 平日の疲れをリセットするためだけにベッドで一日が潰れる
  • メンタル: 生きているだけで楽しい、と感じる時間はほぼゼロ

当時の僕も、彼と全く同じように「休みだけを楽しみにしている自分」に対して、謎の罪悪感を抱いていました。周りの優秀な人たちがキラキラと輝いて見えて、自分だけが社会のスピードについていけず、取り残されているような強い焦りを感じていたんです。

2. 道に迷ったときのコンパス:「人生にとって良いか」という軸

正解かどうかはわかりませんが、そんな風に悩む彼に対して、僕がこれまでの経験からひねり出して伝えたアドバイスは、とてもシンプルなものでした。

「これからの選択はすべて、『自分の人生にとって良いか』を軸に考えてみたらどうかな?」

今やっている仕事、耐えている拘束時間、過ごしているその一分一秒は、自分のこれからの人生において本当に有益なのか。そこに納得感を持てるかどうかが、働く上での決定的な境界線になると思うんです。

具体的には、今の環境が以下の「4つの問い」に対してイエスと言えるかどうかを、一度立ち止まって考えてみてほしいと伝えました。

[自分に問いかけるべき4つのコンパス]

  1. 有益性: この時間は、今後の自分の人生においてプラスになるか?
  2. 再現性: ここで身につくスキルは、今後のキャリアで役に立つか?
  3. 市場価値: この経験は、自分のビジネスパーソンとしての価値に繋がるか?
  4. 目的地: 自分が将来「本当にやりたいこと」のルート上に繋がっているか?

もし、これらのどれか一つでも「明確な理由」が転がっているのなら、たとえ今がどれだけハードで拘束時間が長くても、「これは自分の未来のために、今やるべきことなんだ」と脳が理解できます。納得感を持って、主体的に仕事に向き合うことができるんですよね。

逆に、どれだけ頭をひねっても「この時間は自分の人生にとって何のプラスにもなっていないな」と感じるのだとしたら、それはその環境にしがみつく必要が一切ないというサインです。

この軸を持っておくことは、今の辛い環境から「転職する」などの手段を使って、賢く離れる選択肢を選ぶ際の大切な判断基準(物差し)にもなってくれます。

3. 「過去は美化できる」という大人の罠と、現代の最善策

経験を重ねてある程度キャリアが落ち着いてくると、僕たち大人はついつい「あの若い頃の苦労や泥臭い経験があったから、今の自分があるんだよね。だから君も頑張りなよ」なんていう、綺麗事を言いたくなってしまいます。

過去の苦い経験を、美化して受け入れる心の余裕ができてしまう。

でも、現在進行形でその暗闇の中を生きている当事者にとっては、そんな綺麗事は1ミリの救いにもなりません。今、この瞬間がすべてだからです。

最善の選択肢は、いつだって自分で選んでいい。

そして何より、僕たちが若い頃とは、時代が完全に変わっています。

一つの会社で滅私奉公することが美徳とされた時代は終わり、今は自分のライフスタイルや価値観に合わせて、働く環境も、働き方そのものも、柔軟にカスタマイズできるインフラが整っています。

だからこそ、周りの目を気にして「置いていかれる」と焦る必要なんて全くありません。道に迷いそうになったときこそ、他人の基準ではなく、「自分だけの基準」をもう一度見直す絶好のタイミングなのだと思います。

4. 30代半ばの僕が、今一番大切にしている極端な基準

じゃあ、偉そうに語っている僕自身は、今どんな基準で人生の選択をしているのか。

最近の僕の究極のキーワードは、驚くほどシンプルです。それは、「幸せ」かどうか。

何かキャリアや生活の中で選択を迫られた際、僕は「どちらを選んだ方が、自分と家族が幸せになれるか」という物差しだけで全ての舵を切るようにしています。

少し分かりやすくするために、僕がよく頭の中で思い描く「極端な2つの未来」を比較してみます。

[あなたが幸せを感じる未来はどちらですか?]

評価項目パターンA(高年収・時間ゼロ型)パターンB(適正年収・時間充実型)
想定年収2,000万円500万円
労働時間朝から晩まで、休日も仕事の電話が鳴る定時付近で帰宅、オンオフが明確
プライベート趣味や自分の好きなことをする時間はゼロ読書やガジェット、YouTubeを楽しむ時間がある
家族の時間すれ違いが多く、子供の成長をじっくり見られない毎晩一緒にご飯を食べて、成長を見守れる
身体の状態常に寝不足で、疲れが取れない睡眠もしっかり取れて、健康的な状態

これ、めちゃくちゃ極端な例だというのは重々承知しています(笑)。

バリバリ働いて若くして大金を稼ぎ、タワマンに住むような生活にロマンを感じる時期も、男ならきっとありますよね。

でも、30代半ばになり、愛おしい娘がいる今の僕が、この2つの未来を天秤にかけられたら、迷うことなく後者の「パターンB(年収500万でも時間がたっぷりある状態)」を選びます。

どれだけ銀行の残高が増えたとしても、家族と笑い合う時間や、自分の好きなモノ(それこそカキモリのノートやペローニのコインケース、EDCライトなんかですね)を愛でる心の余白がなくなってしまったら、僕にとってそれは「破産」しているのと同じだからです。もちろん、この結論を出すときは、自分だけでなく「家族も一緒に幸せになれるか」を妻としっかり話し合って決めています。

5. まとめ | お金も時間もある「理想の未来」へ向かって

先ほどの極端な例を出しましたが、きっとこれを読んでいる皆さんは心の中でこう突っ込んだはずです。

「いや、ソウスケさん。一番の理想は、お金があって、かつ時間もある状態でしょう」と。

まさに、その通りなんです(笑)。どちらか一方を我慢するのではなく、経済的な安定と、自由な時間の両方を手に入れることこそが、僕たちの目指すべき究極のロマンです。

だからこそ、僕は今、本業でしっかりと軸足を置きつつ、こうして夜な夜な自分の秘密基地にこもって、YouTube動画を作ったり、ブログを書き殴ったりして、副業にエネルギーを注いでいるわけです。

すべては、自分と家族の「幸せの基準」を満たすための、僕なりの挑戦の軌跡です。

若い親戚との雑談から始まった今回の思考の整理ですが、彼にアドバイスを送りながら、実は僕自身が一番、自分の人生のコンパスを再確認させてもらったような気がします。

皆さんは今、日々の仕事や人生の選択に迷ったとき、どんな「基準」を使っていますか?

もし、日々の忙しさに追われて心が擦り切れそうになっているのなら、一度立ち止まって、自分だけの「幸せの物差し」を机の上に広げてみてはいかがでしょうか。

他人のロードマップを歩く必要はありません。自分の人生の舵は、自分が一番心地いいと感じる方向に、いつでも切り直していいのですから。

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この記事を書いた人

ソウスケ / 浪漫企画 主宰

動画クリエイター。「ロマンは矛盾だらけ」YouTubeチャンネルにて、ガジェットやレザー、キャンプギアなど、実用性だけでは語れない“こだわり”を追求。

最新デバイスをアナログな鞄に詰め込むような、理屈を超えた「ロマン」の摩擦を愛する。この場所は、僕が選び抜いた道具たちの深い記録です。

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